小説「陽気な死体はぼくの知らない空を見ていた」をレビュー

小説「陽気な死体はぼくの知らない空を見ていた」をレビュー

「そういえば先輩の同級生(友達ではない)の本が出版されたんだって!」とあまり本を読まない友人から薦められて読むことにした「陽気な死体はぼくの知らない空を見ていた」。ここ数年タイトルが長い本ってよく見かけませんか?おそらく今本棚にある本の中でこの作品のタイトルが最も長いです。




「陽気な死体はぼくの知らない空を見ていた」について

2017年8月に、『このミステリーがすごい』大賞の超隠し玉として刊行されたエンタメ系ミステリー小説です。宝島社の通称「このミス大賞」は大賞、優秀賞とは別に1次選考通過作品や最終選考まで上がった作品の中から隠し玉として選ばれた作品を出版することがあります。

2017年は15周年記念として、今までの落選した作品の中から3作品が超隠し玉として選ばれ刊行されました。その3作品の中の1つが「陽気な死体はぼくの知らない空を見ていた」です。

作者について

この本の著者は田中静人さん。1986年、新潟県出身です。「陽気な死体はぼくの知らない空を見ていた」が超隠し玉として出版され小説家デビューしました。今のところ他に出版された作品はありませんが作家に専念しているそうなのでこれからまた作品が出てくる可能性はあります。

内容

雨が降ったらお父さんを殺すと幼馴染の少女・空から告げられた主人公の大地。その言葉通り、空の父親は殺害され、兄の悟も死にます。空がどうして父親を殺したのか、本当に殺したのかわからないまま大地の前には死んでしまったはずの悟が現れます。

悟は自分が死んだ理由がわからず霊となりこの世にとどまり、霊感のある大地の前に現れたのです。空や大地を見守りながら自分が殺された理由を探ります。

レビュー

小学生の女の子が自分の父親を殺すというインパクトのある始まりで、後半までその理由は明らかになりません。しかし空と大地の学校生活には不思議な出来事が次々と起こり、常に緊迫感の溢れる作品です。

小学生から始まり、大人になるまでの姿が描かれていますが、大人になっていく子供の心情がリアルに描かれています。文体が非常に柔らかく、主人公が子供であるということもありかなり読みやすい作品です。ジャンルとしてはミステリーですが、青春の恋愛、人間の行動心理といった要素もあり謎解きが苦手な人にもおすすめできる作品です。逆にミステリー好きの人が読むと物足りなさを感じるかもしれません。

この手の話はハッピーエンドになることが多いのですが、この作品はハッピーエンドでもバッドエンドでもなく、後味に何とも言えない物悲しさ、切なさが残ります、


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mubook的評価

悲しい ★★★★☆
切ない ★★★★☆
苦しい ★★★☆☆
暗い  ★★★☆☆
重い  ★★★☆☆

合計 17/25★
病んでる度70%

どんな人におすすめ?

・子供の頃にトラウマを抱えている人
・青年期までの恋愛小説を読みたい人
・ハッピーエンドが嫌いな人
・読みやすい本を探している人

まとめ

このミス大賞の隠し玉として出版された本の中には映画化されたものもあります。最近だと「スマホ落としただけなのに」も映画化され今年の11月に公開予定です。「陽気な死体はぼくの知らない空を見ていた」も、超隠し玉として出版され話題になりました。

ストーリーについては賛否両論ありますが(私も一部ひっかかるところがあります)全体として読みやすく、登場人物たちはリアリティのある人間としてよく描かれています。是非一度読んでみてください。

 

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