大祐と黒の隠者達「漆黒の光」をレビュー。隠れた名盤。

大祐と黒の隠者達「漆黒の光」全曲レビュー 音楽

90年代~2000年のV系って素敵なバンドが多い、と思っている青海ゆうきです。

 

ムック、メリー、シド、ガゼット、この頃はバンド名前もカタカナが多かった。

今はみんなローマ字表記に変わっている。

この頃人気のあったバンド、蜉蝣を知っているだろうか?

ムック、メリー、蜉蝣はヴィジュアル系御三家と呼ばれていた。

ボーカルの大祐は蜉蝣を解散後、the studsを結成、充電期間(活動休止)を経て、大祐と黒の隠者達という名前でソロ活動をしていたのだが、三ヵ月後に自宅で死んでしまった。




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「漆黒の光」について

大祐が生前までレコーディングしていた曲や、未収録の音源を大祐と深く関わりのあったアーティストたちがカバーして作られたのが「漆黒の光」というアルバムだ。

蜉蝣は知っていても、the studsや大祐と黒の隠者達は知らないという人も多いと思う。このアルバムは蜉蝣の曲に匹敵するほど良い曲が多い。

僕は蜉蝣時代の曲よりも、大祐と黒の隠者達の曲が好きだ。

今日はその大祐と黒の隠者達の最初で最後のアルバム「漆黒の光」をレビューする。

「漆黒の光」を全曲レビュー

漆黒の光は、ただのカバーアルバムではなく、大祐が歌ったらこんな感じになったんだろうなぁという想いがすごく伝わるアルバムだ。ボーカルで参加している人たちは個性を前面に出さないで、大祐に寄せた歌い方をしているのが特徴だ。

大祐への愛がすごく伝わってきて、それを思いながら聴くと本当に感動する。蜉蝣を知らない人、聴いたことがない人にもとってもおすすめできるアルバムだ。

1. 漆黒の光

インスト。鐘の音色から始まって少しゴシックな要素がある。同じ旋律が繰り返されるのだが、どんどん迫りくる感じが緊迫感を演出している。レクイエムにも聞こえる。

2. 嫌 Vo.大祐

大祐と黒の隠者達の2ndシングル。これを聴くと、蜉蝣の時より歌唱力が上がってるなぁと思う。大祐のシャウトはとっても心に刺さる。サビはキャッチーなメロディの中に陰鬱さも感じられる。

3. グリード Vo.宮脇渉(12012)

グリードというのは直訳すると貪欲という意味だ。Bメロからサビへ意外なコード移行で僕はそこに覚醒のようなものを感じた。やはりサビはキャッチーでとても聴きやすい。歌詞からは、依存してしまった時の苦しみや終わりの見えない気持ちが見えてキャッチーなメロディとは裏腹に重たい内容だ。

4. ピアス Vo.大佑 / 怜(kannivalism)

大祐とkannivalismの怜のツインボーカル。ツインボーカルは声質が違う二人が歌うことが多いのだが、この二人は似ていて知らないで聴いたら二人が歌っていることに気づかないかもしれない。悲しいすれ違いの恋愛ソングだ。サビがとにかくいい。ちょっと泣きそうになる。

5. 愚の消滅 Vo.大祐

シングル「嫌」のC/W(シングルに一緒に入っている曲)。サビから始まる。Aメロはメジャーコードで曲調が明るいが、歌詞は悲しい。サビに入る前にマイナーコードに転調していくところに心の痛みや不安の増加を感じる。退廃的な歌詞でお気に入りの曲だ。サビのリズムがブランコに乗っている感じでゆらゆらしていてそこに不安定さを感じる。

6. 地下道に流れる、ある独りの男の「悲痛な叫び」にも似たメロディー Vo.ガラ(MERRY)

タイトルや淡々した曲の感じがメリーっぽい。このアルバムを作ると決まった時、多分参加アーティストに合う曲を選んだんじゃないだろうか。「漆黒の光」の中では一番暗い印象の曲だ。



7. 悲愴 Vo.大祐

王道の恋愛(失恋系)ソングという感じ。バラード寄り。

8. 翻弄 Vo.大祐

大祐と黒の隠者達の1stシングル。「漆黒の光」の中では一番ポップで明るい曲調だ。歌詞だけ変えたらアニソンのテーマソングになりそう。しかし歌詞はみんなの期待通り明るくない。これも恋愛ソングかなと思うのだが、とらえ方によっては友情ソングかもしれない。愛しいと言ってはいるけども。

9. 独裁者の涙 Vo.逹瑯(ムック)

サビ前までは音の上下が少なく、メリーの愛国行進曲に似ている。歌詞もなんとなく似ている。サビは壮大なメロディーでこちらはムックの曲っぽい感じがする。歌詞もムックっぽい。この曲のドラムは大祐。大祐は元々ドラマーだったのだが、DIR EN GREYのボーカル京の勧めでボーカルに転身した。

10. ザッヘル Vo.大祐

1stシングル「翻弄」のc/w。全体的に初期の蜉蝣みたいな曲。アップテンポでシャウトが多い。歌詞はSMっぽい。タイトルのザッヘルは、マゾヒズムの語源になった作家のザッヘルマゾッホのことだと思われる。

11. 葬送 Vo.

葬送のボーカルクレジットは書かれていないが歌っているのはDIR EN GREYの京。葬送というのは死んだ人を葬り、見送るという意味だ。シャウト全開の曲だが、サビにはきちんとメロディーがある。この曲をどういう気持ちで歌ったのかを考えると感慨深い一曲だ。

12. 嘘と迷路 Vo.大祐

嘘と迷路は配布CDで一般流通はしていない音源だ。アルバムの最後に相応しい大祐らしい曲。とっても聴きやすい曲で、サビのメロディーもキャッチーだが、歌詞がとにかく切ない。大祐の一生ってこんな感じだったのかなと思わせる部分があって、葬送からこの曲を続けて聴くと、嘆き苦しんだあとの境地にたどり着いた感じがする。

mubook的評価とまとめ

全体的にサビがキャッチーで聴きやすい印象だ。曲調は重くなりすぎず、シャウトの割合も高すぎず、すんなり入ってくるメロディーに切ない歌詞が乗せられている。恋愛を含む人との関わりあいと自分自身の孤独に向き合った作品だ。

このアルバムを聴く前は正直期待していなかった。というのも僕は中古で手に入れたのだが、とっても安かった。勿論値段が全てではないが、あまり流通していない名盤は中古価格が高い。漆黒の光を聴いて、なんでこんな値段で売ってるの?ってとっても疑問に思った。このアルバムはもっと評価されるべきだし、ビジュアル系が好きという人には外せない一枚だと思う。それぐらい僕は気に入った。

 

激しい★★★☆☆
静か ★★☆☆☆
ポップ★★★★☆
暗い ★★★☆☆
切ない★★★★★

 

病んでる度85%

 

大祐と黒の隠者達はまさにこのアルバムのためにつけられたソロ名義の名前だ。冒頭にも書いたが、90~2000年代のV系好きの人にはとくにおすすめだ。本当に、本当におすすめ。

そして大祐、ありがとう。

 

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