DADAROMAのおすすめ曲とアルバムを紹介。切なさと痛みを叫ぶよしあつの歌声が心に刺さる

音楽
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最近のビジュアル系は好きな感じのバンドがいないなあと悲しんでいた青海ゆうきです。

 

雑誌やネットで新しく出てきたバンドはチェックしていたのだが、ムックやDIR EN GREYに匹敵するバンドがなかなか現れなくて、好きだったバンドもメジャーデビューした途端曲調が変わったりしてあんまりピンとこなくなって、ビジュアル系もここまでか・・・と諦めていた。

ここ7、8年ぐらいはそんな諦めモードで自分から探そうともしなかった。

しかーし!

偶然YouTubeで見たあるバンドのPVがとっても良くて、久しぶりに胸が踊った。

そのバンドこそ、DADAROMAだ。

 

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DADAROMAについて

 

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【巨大看板、設置!】 全国のCDショップ「littieHEARTS.」各店舗にDADAROMAのオリジナル巨大看板が設置 #dadaroma

太嘉志さん(@dadaroma_takashi)がシェアした投稿 –

 

2015年から活動している、ボーカルよしあつを中心とした4人組ビジュアル系バンド。

僕が良いなと思うバンドは、ボーカルの声が個性的で声を聴いただけでバンド名がわかるっていうのが共通している。

このブログですでに紹介している、DIR EN GREY、MUCCは勿論のことながら、MARRY(メリー)、Acid Black Cherry(Janne Da Arc)、シド、the GazettE(ガゼット)、なんかもそうだ。

ビジュアル系以外でもamazarashi、椎名林檎、宇多田ヒカルはそれに当てはまる。

DADAROMAもよしあつの声がとっても個性的で素敵だ。シドみたいに高音にのびがあってビブラートからフレーズの終わりにフォールをかける歌い方が特徴的だ。

デスボからスクリームまでシャウトの音域も広くて、息だけで呟くような歌い方もよくする。

そんなDADAROMAのおすすめ曲とおすすめのアルバムを紹介する。

まだ聴いたことがない人は必見だ。

 

DADAROMAのおすすめ曲

 

下にいくほど僕の好きな曲。

 

ベルカとストレルカ

 

英語のデスボから始まりスクリームを混じえながらも印象的なメロディのサビ。DADAROMAの曲はデスボやシャウトから始まる曲に名曲が多いというのが僕の統計だ。

ベルカとストレルカというのは昔のロシアの宇宙犬の名前だ。宇宙開発のために実験として宇宙に行ったワンちゃん。

何かのために消費されていくもの、踏み台、期待、罵声、そういうものを自分たちのバンドと重ね合わせた歌詞なんじゃないかな、と僕は思う。

ベルカとストレルカが宇宙犬の名前だとわかって改めて聴くと、歌詞のいたるところにそれがわかる部分があるので見つけながら聴いてみると面白い。

 

 

KURT

 

DADAROMAの数少ないバラード系の曲。サビに出てくるフェンダー・ジャガーは、この曲のタイトル「KURT」(カートコバーン)がよく使用していたギターの名前だ。ベルカとストレルカの歌詞とも共通する部分がこの曲にもある。

自分が好きでしていた音楽と商売としての音楽、自分が憧れていた音楽と現実の音楽業界、その差を突きつけられて苦悩している様子がうかがえる。

もしカートが生きていたら、この理想とはかけ離れた世界でどんな音楽を奏でるのだろう、という問いを通して自問自答している。

よしあつってこんなに心に訴えかける歌い方もできるんだな、と感動した一曲だ。

 

 

2017年7月21日の日記

 

日付のタイトルといえばムックの「9月3日の刻印」が思い出される。しかしこちらは西暦も入っている。最初僕はこの日のニュースを調べていたのだが歌詞と当てはまるような記事はなかった。

歌詞の内容から、歌手の命日なんじゃないかと思って調べていると、2017年の7月20日はLinkin Park(リンキン・パーク)のボーカル、チェスターの命日であった。

リリース日を調べるためにDADAROMAの公式ホームページに行ったら普通に書いてあった。そして肝心のリリース日だが、同年の11月1日。約3ヶ月でCDにできるなんてすごい。

ボーカルのよしあつはTwitterでこういう風に呟いている。

 

 

残された人間は悲しみと怒りの中に取り残される。僕も身近な人を失う辛さを経験したがこういう時、人間は悲しみが深いほど自分を保つために怒りで中和しているのかなと思った。チェスターへのリスペクトが感じられる切ない曲だ。

公には怒りを感じたと発言したけれど、自分しか見ることができない日記には悲しみが書かれていたんじゃないかな、なんて思ったりした。

 

 

造花とカラシニコフ

 

冒頭の歌詞からもすぐわかるが戦争や原爆をテーマにした曲だ。サビから始まって途中にテンポアップ&拍子が変わってシャウト、そしてまた元に戻ってサビという、変拍子の曲。

テーマの通り曲調は暗く退廃的で、かなりリアルに当時の様子を歌詞にしている。世界平和とか戦争反対ソングではなく、ただただ詩的かつリアリティのある描写をしている。

 

僕は20代前半まで広島の近くに住んでいたので原爆ドームにはよく行っていた。展示物や文字で視覚的に体験することができ原爆の怖さがすごく伝わってくる。そして造花とカラシニコフからは聴覚で味わうことができると思う。

変に怖がらせようと作られたものより、現実で起きたことを忠実に再現するほうがよっぽど怖い。この世は残酷だ。その残酷さから目を逸らしちゃいけない。

 

 

いいくすり

 

DADAROMA初の両A面シングル「いいくすりと、わるいくすり」に入っている曲。「いいくすり」は明るい曲「わるいくすり」は暗い曲なんだろうなぁって思っていたら逆であた。

僕は太宰治が好きでその中でも「人間失格」が大好きなのだが、これを読んだ時とっても不安な気持ちになり、元々精神不安定なのだが読んだ後はそれが悪化して結局死にはしなかったものの入院することになった。

文学や音楽にはそうやって作品に触れた人の人生を変える力がある。では「人間失格」は僕にとって、いいくすりだったのか、それともわるいくすりだったのか。

今思うと、入院することになって社会から隔離された空間で自分自身を見つめなおす機会を与えてくれた「いいくすり」だった。勿論そこで死んでしまったり、作品の世界から抜け出せなくなったら「わるいくすり」にもなり得たのだが・・・。

 

ワンマンツアーを経て熱気溢れるライブの中ファンとの間に確かな愛を感じていた物の…そこには確実に需要と供給の関係がある。それは愛と呼んでいいのだろうか?という葛藤を包み隠さずストレートにぶつけている楽曲を「いいくすり」。そういった切り離すことのできない現実には触れず、ただDADAROMAを愛してくれている各地に存在するすべての人達への想いをまたもや包み隠さずストレートに歌い上げている楽曲が「わるいくすり」となっている。そういった想いがもし聞いている人にとってただの現実逃避となってしまっていたら、それは決して良薬とは言えない…そんな思いから激しく鋭い言葉を並べた楽曲を「いいくすり」、優しく温かなバラードソングを「わるいくすり」と定義する。

引用元:いいくすりと、わるいくすり – DADAROMAオフィシャルサイトよりhttp://www.dadaroma.com/discography/?id=1512

 

 

純粋に愛しているのか、金の上にしか成り立たない愛なのか、アーティストなら誰でもそういう疑問を抱くのかもしれない。ダークな雰囲気漂う「いいくすり」は歌詞の意味を知らなくても、良い曲だ!と思った。

 

 

雨のワルツ

 

冷酷な現実と社会風刺のデスボイスから始まる。悲しみや痛みと向き合いながら純粋に、そして懸命に生きる人にも容赦なく降りかかる雨。そんな雨に打たれながらも生きている人を見て、ふと昔抱いていた夢を思い出す、そんな内容だ。

デスボイスや語りの部分ではテンポも速く世界の闇が迫りくるように、サビではそんな世界の闇の中、光を待ち続ける健気な存在を悲しみを帯びたメロディーで歌いあげている。このメリハリが心にグッとくる。

 

ビジュアル系の曲をたくさん聴いていると、最初から最後まで同じテンポ、デスボイスとシャウトだけで構成されている曲も多いのだが、DADAROMAの曲は歌詞に合わせて歌い方を変えていたり、デスボから始まる曲でもサビはメロディアスで、かつそのメロディーラインが綺麗で印象に残りやすい。

ちゃんと表現としてデスボやシャウトを使っていると感じるし、歌詞と曲とにグルーブ感があるというか一体感がある。

 

 

溺れる魚

 

最後に紹介する曲は、DADAROMAを一躍有名にした一曲でもある「溺れる魚」。2018年12月13日現在でのYouTubeでの再生回数は120万回。

僕の大好物、超絶暗い曲。

一番有名な曲を一番好きというのは癪だが、嘘はつけないから仕方ない。

 

今の世の中、人間はみんな情報に振り回されている。外から入ってくる情報の量がとっても多い。どこで事故があった、誰が死んだ、誰が事件を起こした、政治家が、スポーツ選手が、あーだーこーだ。考える暇もないぐらい次から次へと。

そんな毎日を過ごしていたら、自分で考えたり、誰かを想ったり、大切なことも忘れていってしまいそう。つまり人間は情報という海に溺れる魚なのだ。

 

というのが僕の解釈だ。感情を殺して淡々と仕事を処理して、連絡手段はスマホが主流になって、スマホのせいで健康に支障をきたして、何かに困ったらネットで検索して、テレビの健康特番に踊らされて、今まで見向きもされなかった鯖の水煮がスーパーから消えて、アップルがBluetoothイヤホンを出したらメルカリに類似品が溢れて、人って流れには逆らえない生き物なんだなって最近よく思う。

 

しかし、ビジュアル系は魚を溺れさせるのが好きだ。ムックやSADIEも「溺れる魚」という曲があるし、初期のシドの曲に「必要悪」という曲があるのだがそこでも魚は溺れている。

そのうち辞書にも「魚が溺れる」とか「溺れる魚」が載る日がくるかもしれない。そうしたら意味は「突然環境に適応できずに死んでしまうこと」または「何かに没頭して本来働くはずの生命維持機能が失われること」といった感じだろうか。

 

 

DADAROMAのおすすめアルバム

 

一番おすすめなのはベストアルバムの「スタンチク」通常版Bタイプ。今回紹介した「溺れる魚」、「雨のワルツ」、「ベルカとストレルカ」、「KURT(piano Ver.)」が入っている。

初回限定版Aタイプは「KURT(piano Ver.)」が入っていないからBタイプがおすすめ。

今回は紹介しなかった「リズリーサーカス」や「ルシッド・ドリーム」も僕のおすすめの曲だ。聴いてみるがよろし。

 

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