MUCC「TRIBUTE OF MUCC -縁 [en]-」を全曲レビュー。原曲を知らない人も聴く価値ありの一枚

音楽
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この一ヶ月ずっとCD音源をウォークマンに取り込んでいた青海ゆうきです。

 

更新が久しぶりすぎて失踪したと思った人もいるかもしれないが、まだ下書きの記事が100個以上あるのでそう簡単にはいなくならないと思われる。

話は戻って

普段から音楽は聴いてるが、一年に何回か音楽に一日中浸っていたい症候群が発症する。

気になっていたCDを買い漁ってWalkmanに取り込んでリピート再生していたらあっという間に一ヶ月近く経っていた。

今日はこの一ヶ月で一番最初に買ったMUCCのトリビュートアルバム「TRIBUTE OF MUCC -縁 [en]-」のレビューをする。

トリビュートアルバムというのはMUCCの曲を別のアーティストが歌っているアルバムだ。カバーとは違って、それぞれのアーティストのアレンジが強く出ている。

 

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「TRIBUTE OF MUCC -縁 [en]-」の全曲レビュー

 

MUCC結成20周年を記念して2017年11月22日に発売されたこのアルバムには23組ものアーティストが参加している。

MUCCってこんなバンドとも繋がりがあるんだと驚いた。

「MUCC(ムック)の曲は逹瑯が歌うからいいんだ。他の人が歌っても・・・」

と思っていたのだが、想像を遥かに超える良いアルバムであった。

まずはDISC1。

 

 

1. ROTTENGRAFFTY「蘭鋳」

 

一発目これを聴いた時点で、このアルバムは当たりだって確信した。ツインボーカルがかっこいい。原曲をあまり崩しておらず、よりロックになってノリノリで聴ける。原曲より好きかも・・・とにかくアルバムの中でもオススメの一曲だ。

 

 

2. BAND-MAID「ハニー」

 

女性ボーカル。テイストはロック。これは非常に好みが分かれそうだ。メロディーラインは原曲に忠実。

 

 

3. THE BACK HORN「最終列車」

 

イントロを聴いた時、こんな曲あったかなと思ったらサビ直前で原曲のあのアコギのイントロが流れてハッとなった。メロディーは原曲とほぼ同じだが、他のアレンジがバクホンらしさ全開だ。バクホン好きだからコラボしてくれただけで嬉しかった。

 

 

4. ken「ENP」

 

MUCCと何かと関わりのあるラルクのギターkenちゃんが歌っている。原曲のメロディーラインは残っているけれど、アレンジで全く別の曲になっている。ラルクで言えば、浸食のサビ前みたいなちょっと暗くてねっとりした感じがする。

 

 

5. sukekiyo「ガーベラ」

 

sukekiyoはDIR EN GREYのボーカル京のソロプロジェクトの名前だ。つまり京が歌っている。イントロから完全に京の世界で原曲はどこかへ行ってしまった。メロディーラインもほとんど違う。1番のサビを聴かないとガーベラだとはわからない。それよりMUCC×京さんという組み合わせが実現したことが奇跡のように感じる。

 

 

6. gibkiy gibkiy gibkiy「溺れる魚」

 

ガーベラより崩したアレンジはないだろうと思っていたら早速想定外の曲が現れた。歌詞以外全て違う。驚きを隠せない。あの美しいバラードの面影は全くない。これは全く違う曲だ。しかし全部原曲に近いトリビュートだったら面白くないと思う。少し前に流行った、「村上春樹がカップ麺の作り方を書いたら」、というのを知っているだろうか?それと同じだ。個性が何より大事。

 

 

7. 氣志團「謡声」

 

原曲がどっか行ったシリーズは終わって、急にあまりいじってない曲が現れるとなんだか物足りなさを感じてしまうのはある意味中毒症状なのかもしれない。謡声はムックの曲の中でもキャッチーでポップな曲なので気志團とは相性ばっちりだ。

 

 

8. POLYSICS「アイアムコンピューター」

 

こういうのを何系っていうのか僕はわからない。電子系?テクノ系?ボカロの曲に近い感じで、「ピポパポピポパポ!!」って鳴っている。とにかくピポパポ。

 

 

9. cali≠gari「風と太陽」

 

原曲よりもさらにビジュアル系っぽく、スタイリッシュになっている。流石先輩。ムックとカリガリ好きという人は多いと思うので両方のファンにとっては嬉しいんじゃないだろうか。

 

 

10. Plastic Tree 「流星」

 

プラの曲は色々聴いたことがあって、この人(有村竜太郎)の声と歌い方好きだなぁって思ってはいたのだが、曲調があまり好きじゃない。ファンには申し訳ないけど、好みの曲があまりないのだ。流星はMUCCの曲の中でも人気があって僕も大好きな曲。このキャッチーなメロディーに切ない歌詞、という組み合わせの曲は有村さんの歌い方にとっても合ってる気がした。

 

 

11. シド「暁闇」

 

まずシドがこの曲をカバーすることに驚いた。今のシドならもっと明るいポップな曲を選ぶかなぁと思っていたのだが嬉しい予想外の選曲だった。初期のシドが好きな人は喜ぶだろう。逹瑯は「死にたい苦しいもう無理あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁ!」という、小説で言うなら一人称単一視点の叫びだが、マオは「僕は死にたいと思いました。苦しくて、苦しくて、もう無理かもしれません」っていうちょっと日記を書いているような一歩引いた感じで語っている(僕の中のイメージ)。そういう暁闇もとっても良い。

 

 

12. ×××メ×シ× 「五月雨」

 

事前情報にもなくて、CDのアーティスト情報でも伏字になっているこのグループ。誰だかわかるだろうか?わかるよね?本当に素晴らしい作品になっている。元々この人たちの曲なんじゃない?と思うほど完成度が高い。僕はこのグループの「壊れていく世界」という曲が大好きで、歌い方も逹瑯に似ている。叫びの曲。

ここまでがDISC1だ。ここまででもかなり満足できるのにまだ半分だ。とってもボリューミー。次からはDISC2。

 

1. FLOW「CLASSIC」

 

アニソンで有名なFLOWだけにアニメ「七つの大罪」のオープニングテーマとして使われたこの曲を選ぶのは流石だ。

 

 

2. THE ORAL CIGARETTES「大嫌い」

 

原曲よりも少しだけポップ、というか忙しい感じになっている。でもいいアレンジだと思う。

 

 

3. lynch「茫然自失」

 

イントロを聴いた瞬間にこれは当たりだと思った。原曲のダークさを生かしたままlynchがかっこよく歌いあげている。重厚感溢れるメタルになっている。

 

 

4. ヒステリックパニック「Mr.Liar」

 

デスボとスクリーム、そして高音ボイス。僕はこのバンド知らないのだが、高音は聴きやすいクリープハイプといった感じだ。

 

 

5. 矢野絢子「リブラ」

 

ピアノだけのイントロから始まるのだが、これは普通のアレンジではないなと予感した通り、最初は歌ではなくポエトリーリーディングだ。つまり朗読から始まる。それから音程のある歌に戻るのだが、伴奏のピアノが独特だ。サビはのびのある素晴らしい歌声。合唱コンクールに使われそうなアレンジだ。

 

 

6. MERRY「家路」

 

アコギのアルペジオとガラの哀愁ある歌声が素敵。二番のサビからは他の楽器も入って雰囲気が変わる。とにかくこの曲とガラの声が合っている。

 

 

7. DEZERT「アカ」

 

DEZERTは僕が今年聴き始めたバンドのお気に入り第3位に入っている注目バンドだ。このアルバムをずっと聴いていると、これは全然崩していないと錯覚してしまう。もっとDEZERTらしくアレンジしてもよかったんじゃないかと思った。と言っても原曲も大好きだし、DEZERTも大好きだからお気に入り。

 

 

8. ROACH「ハイデ」

 

メロディーラインだけはそんなに崩れていないのだが、それ以外は全然違う。「ズンズンドコドコ、レッツゴー!ハイデー!ハイデー!」になった。ちょっと面白い。原曲の感動はどこかへ行ってしまったが、別の曲だと思って聴いたら結構好きかもしれない。

 

 

9. BREAKERZ「フライト」

 

あまり崩していないにも関わらず印象がこんなにも違うのはやっぱり歌声のせいだ。よりポップで爽やかになっている。

 

 

10. GRANRODEO「ニルヴァーナ」

 

この曲は「妖狐×僕SS」の主題歌。そしてGRANRODEOのボーカルはアニメ声優の谷山紀章。谷山さんは文豪ストレイドッグスの中原中也の声の人だ。独特な歌い方をするんだなーと思った。

 

 

11. 鬼龍院翔「ブリリアントワールド」

 

ゴールデンボンバーではなくクレジット表記は鬼龍院翔。きちんとしている(ゴールデンボンバーって書いたら楽器演奏したの!?ってなっちゃう)。鬼龍院君はノリノリの曲よりバラード系の方がいいんじゃない?と思う一曲だ。結構良くて驚いた。

 

 

12. ムック「恋は水色」

 

ムックにセルフカバーして欲しい曲のアンケートをとったら、カセットテープのデモ音源に収録されている「恋人」になったのだが、この曲は「恋は水色」を引用してる部分があり、権利の関係で「恋人」でのセルフカバーはできなかったので「恋は水色」のカバーになったという経緯。

最後にムックの演奏が聴けて安心する。

「TRIBUTE OF MUCC -縁 [en]-」の感想

 

冒頭にも書いたが、MUCCは好きだけど他のアーティストが歌うのってどうなんだろう、とあまり期待をしていなかった。しかし結果は・・・すごくいいアルバムじゃないか。

MUCCが好きというのは逹瑯の声が好きなだけではなく、曲自体も好きということ。だから好きな曲を別のアーティストが歌ってもすごく良い曲に聴こえる。

あと、MUCCのこの曲はそんなに好きなほうじゃなかったのに、このアルバムを聴いて好きになったという謎の現象が起きた。

これがトリビュートの力なのか・・・。

参加アーティストは半分ぐらいしか知らなくて、このアルバムで初めて聴いたっていう人もたくさんいたんのだが、この人の歌声好き!とかアレンジが好き!って思ったバンドもちらほらいて、今度その人たちの音源を聴いてみようかなとも思った。

23組のトリビュートは原曲がどこかへ行ってしまったのが2~4曲、結構崩してるなあと思ったのと、原曲に近いなあと思ったのが半々ぐらいで、全体的にバランスが良かったんじゃないだろうか。

とってもおすすめのアルバムだ。聴いてみるがよろし。

 

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